近年、台風や局地的集中豪雨などにより、全国各地で住宅への浸水被害が増加している。浸水への簡易対策としては、土壌や緊急用との間仕切板が使用されているが、これでは水の侵入を防止できないケースも多い。
浸水被害者からは「半日程度の間にわたり、1m程度の高さの水を防御できるローコストの簡易型浸水防止装置を」と望む同社にも多く寄せられており、これが開発のきっかけとなった。
現状、ビルや企業向けの「取付け用止水板装置」については、いくつかの建材メーカーから製品化されている。ところが、装置そのものが平均50万円ほどと高価で、取付け施工費用が100万円以上かかるものが多い。また、装置自体が、堅固な外壁に囲まれたビルなどを想定していることから、塀や外壁に浸水が想定されていないほとんどの一般住宅では、装置が役に立たないという状況にある。
今回の補助事業で、同社が開発に取り組んだ浸水防止装置は、「止水板装置」「浸水防止壁」「排水装置」により構成されている。一般住宅向けを想定して装置のコストをできるだけ抑えつつ、性能を最大化させることが開発にあたっての大きな目標であった。
